ゼネコンは転勤が多いです。その中で
- 短期間でいろいろ転勤させられて、自分は現場で必要とされていないんじゃ?
- 転勤が多くてしんどい。もっとじっくりひとつの現場をこなした方がいいんじゃないの?
と心配されている若手の人に、多くの工種を経験するメリットをご紹介します。
私自身転勤するごとに全て異なる工種に配属され、転勤先で全て初心者からスタート。というキャリアを歩んできたので、その悩みはよく分かります。
そして私は、さまざまな工種を経験しておいて良かったと思っていますので、その理由を5つ紹介していきます。
- 現場を見るのが一番
- 作業は同じサイクルを繰り返すことが多い
- 工種は一つでも、工法は多岐に渡る
- さまざまな職人の考え方を知ることができる
- 案外、別工種でも応用が効く
現場を見るのが一番
見るのが一番。これに尽きます。
着工前に施工計画書を担当したことがあります。未経験の工種ばかりでした。施工計画なんて書けません。詳しい人に聞きに行ったり、自分なりに調べたりするわけですが、
その工事にとても詳しい人に丁寧に説明してもらっても、施工のイメージは湧きますが、機械の仕組みとか原理などはよくわからないままです。ここでエアーを送って、、なんて言われても。ここでロッド抜いてビットを交換して、、なんて言われても「??」です。
専門業者の施工の流れを解説したカタログや手順書を読んでも、なんでそうなるのかが分かりません。こういう場合はどうなるの?クレーンの親で吊ったまま、子で引き込む??できるのそれ?
という状態です。
実際、工事が始まって、現場でやっているところを見て、
あの説明はそういうことか。なるほどな。と初めて納得できます。
たくさんの工種を経験することは、未経験の工種が少しでも減るということであり
今後の人生で、若いときにちょっとだけ経験したことがある。昔にちょっとやったなことがある。というのは強みになります。
全くの未知の状態と、雰囲気でも分かるでは大きな差があります。
やったことがあるというのは、最強です。神様ですね。
ある工種を学ぶと、派生する工法もうっすら知識はつきますので
施工管理に必要な、広く浅い知識を得ることができます。
作業は同じサイクルを繰り返すことが多い
実際の工事は同じサイクルの繰り返しであることが多いです。
同じ工種が続いてサイクルの流れを把握してしまえば、写真を撮るタイミングだとか、計測するタイミングなども分かるわけです。何回もやっているわけですから。
自然と仕事が早くなり、自分は仕事ができるようになってきた。と思ってしまいますが
それは、仕事ができるようになったのではなく、単に慣れてきただけです。慣れも成長のひとつですが。。
正直、同じサイクルの繰り返しをずっと見ていても、新しい発見は無くなってしまいます。
それくらいなら、別工種を一から経験した方が自分の成長につながると思います。
たまにトラブルや、イレギュラーが発生してその対処法を考える。ということが発生しますが、
大抵の場合は、専門業者さんのノウハウで対応できる場合が多いです。
同じサイクルをずっと経験するメリットは、その対処法が自分の引き出しに入るくらいですかね。
工種は一つでも、工法は多岐に渡る
世の中にはたくさんの工種があります。
そして、工種の中にたくさんの工法があります。例として地盤改良についてみてみます

地盤改良だけでも代表的なものでこれだけの工法があり、
さらに、「注入工法」だけをみても「二重管ストレーナ工法」「ダブルパッカ工法」「なんとか方式」その他さまざまな工法・方式に枝分かれします。
なので、自分がやっている工事は、ある工種のある1工法しか経験してないわけです。
それなら、たくさんの現場に行って、たくさんの工法を勉強できた方が得な気がしますよね。
さまざまな職人の考え方を知ることができる
それぞれ専門業者にとって、考え方が色々あります。
重機の熟練したオペレータさんは「丁張りも3ヶ所出てれば大丈夫ですよ」なんていう人もいれば「ここにも丁張り欲しいな」だったり
土工さんは「一服が大事だ」と言う一方で
坑夫さんは「昼飯なんかより早く掘って帰りたい」
「そんな作業は危なくてやらせられない、じゃあお前がそこに行ってみろ」と言ってくる業者は、簡単に考えていた自分の甘さに気づかせてくれます。
色々です。
若いうちに色々なタイプの職人を経験しておくと、後々苦労しなくて済みます。
上司も同じことが言えますね。先を見越して検討に検討を重ねる慎重な上司や、経験上多分大丈夫だ。と決断が早い上司など、さまざまな視点を得られます。
案外、別工種でも応用が効く
たくさんの工事がありますが、以前経験した全く別の工事が、後々役に立つと言うこともあります。
クレーンや、足場などの仮設材などは各工事で共通する項目ですので、別工事になっても応用ができます。
また、原理が同じ場合は応用が効きやすいです。
トンネルの掘削面が崩落しないよう、掘削面の切羽をボーリングして固化材を注入することがあるのですが、それは地盤改良などでやるボーリングして薬液を注入する薬液注入工法と原理は同じです。
すると、管理するポイントも似てきます。薬材の注入量で管理するのか、もしくは注入圧で管理するのか。もしくは両方で管理するのか。
いろいろ経験をすると、初めての工種だけど、こういう管理をするのはあの工種と同じだな。と言うことがよく出てきます。
まとめ
50歳を越えたベテランの人でも、その工法は初めてだな。なんて言う人もザラにいます。
それでも今までの経験で補いながら、専門業者と話し合いをしています。
若いうちに色々な経験をした方が、後々大きな財産になるので、
転勤が多いと悲観せずに、前向きに新しい現場に赴任してほしいものです。
では。
Comment