現場

現場監督はどんなプレッシャーと闘っているか。新人でもミスは命取り。

現場

現場監督の仕事のメインは作業の「段取り」をすることです。

自分達で作業をするのではなく、現場監督の段取りのもと職人や作業員に仕事をしてもらっています。

つまり現場監督の段取りができていないと、そこで働く人たちは作業が思うように進まず迷惑をかけてしまいます。

新人でも同様です。現場監督という立場である以上、現場の段取りをしなくてはいけません

自分が若い頃も「この段取りで作業が進むかなあ」と前日の夜から心配になり、胃が痛むような思いをしたこともあります。しかし前夜になってしまってはどれだけ心配しても心配するだけ無駄です。あとは運を天に任せるしかありません

今回は現場監督の実態の紹介として、どんなプレッシャーと闘っているかご紹介します。

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機械

専門工事のような特殊な機械でなく、クレーンやダンプ、バックホウなどの一般的な機械であれば現場監督も段取りをすることがあります。

これらの選定には非常に気を遣います。

機械が不適切なものだと以下のような事象に発展します。

  • 作業半径や作業能力が足りない場合、吊りたい物が吊れない、欲しいところにブームが届かない
  • 充分に大きな機械でもスペースが限られている場合などは、機械が入らない旋回できない

など、物理的に作業不能に陥ります。

すると現場では

  • 作業がストップしてしまう
  • 機械の入れ替えが翌日、下手すると翌々日などになってしまう
  • 回送費が余計にかかる

ということが起きます。

作業ができないということは、その日来た作業員たちは何もすることが無くなり、工程が1日ずれてしまいます。

また機械を入れ替えるというだけで、機械の回送費が余計にかかってしまうだけでなく、近くのリース屋に欲しい機械が出払っていて在庫が無い場合、遠方から運搬するため機械の入れ替えが翌々日になってしまう。ということもあり得ます。

そのようなことにならないために、平面図縦断図断面図とさまざまな角度から施工図を描き、一番不利な条件で機械の能力を選定します。

図面上で機械を重ねて配置してみて、必要に応じて現地を採寸し機械のサイズを最終決定します。機械一つでも非常にプレッシャーです。

材料

もちろん材料がなければ作業できません。現場監督が段取りするものは土、砕石、生コン、山留材などなど。その他ボルトのような細かいものにも気を配る必要があります。

土や砕石なんかは図面の数量なんて目安でしかありませんから、現地で測って大まかの数量を算出した後に、割り増しして注文します。これは慣れれば何となくできるようになります。

山留材など図面で数量が決まっているものはある程度安心できますが、それでも図面と現地は異なります

現地は施工誤差が必ずあるので、図面通りの山留材を注文しても長さが足りなかったり、最悪入り切らない場合があります。

事前に現地を測って、図面とおりの鋼材を注文して良いのか悪いのか判断します。心配な場合は予備の部材を頼んでおいても良いでしょう。

「監督さーん。この材料ダメだ。使えないよー」

なんて言われることはよくありますよ。焦りますね。

また、

ボルトのような細かいものはクセ者です

組み立ている間に落としたり無くしたりしますし、保管している間にいつの間にか消えてなくなっていたりします。ボルトはあるのにナットが無いなど現場監督あるあるだと思います。

ボルトが無ければ鋼材は組めません。

以前これだけ入ってきたから在庫はこれくらいあるはずだ。決めつけてしまうと必ず失敗します。

ボルトなどの細かいものの数もバカにせず、事前に数えて足りない場合は注文しなければなりません

搬入の際に伝票通りの数量が入っているかなど、ボルトも数えておかないと後で痛い目を見ます。結構送ってくれる商社やメーカーにも数量間違えはあります。

測量

これが一番大きい手戻りにつながるので怖いです。

現場監督が間違った位置を出してしまっても、作業員はその位置に忠実にモノを作ります。

これを間違えてしまうと

  • 作ったものを壊す
  • 再度作り直す

ということになります。壊して作り直すというのは一番手間がかかります。

壊すためには壊す機械を段取りして、人も呼ばなくてはいけません。時間もかかります。壊したものの処理もしなくてはいけません。ここまでやってようやく振り出しに戻ります

位置を出したら周りとの位置関係や、ポイントとポイントの距離を測って間違いないことを確認しないといけません。

明らかな間違いは作業員もおかしいことに気づいて教えてくれたり、自分でも気づいたりするかもしれませんが、100mm程度ズレだと誰も気づきません。

自分が出した点を、今自分が器械で出した方法とは別の方法で確認しなければなりません。

作業

独自に導入した手法や工法など、作業員があまりやったことない作業だと現場監督が陣頭指揮を執らなくてはいけません

そのほかにも現場に応じて現場監督の方でちょっと手を加えた資材など、アンカーはどこに打つのか、どこに径いくつのボルトが入るのか、プレートはどこに入れるのかなど、部材はどれを使うのかなど。

作業員の質問責めに遭います。

慣れてくればこういう問題が起きるだろうと予測して、部材を大小2種類用意してみたり、別の場所に使いまわせるようにしてみたりなどできるのですが、

新人のうちだとそうはいきません。

特に質問に答えられないと、作業員は露骨に「コイツは使えない奴だ」という顔をするので、非常にプレッシャーです。

これは前日から胃が痛くなったりしますが、現場でやってみないことには分からないこともあるので、もう諦めて寝るしかありません。あとは野となれ山となれ。という気分です。

まとめ

現場監督というのは現場のマネジメントをする立場ですから、新人でも管理職であるわけです。

今やっている作業だけではなく、翌日翌々日の作業も考えながら毎日を過ごさないといけません。

図面通りの資材を頼んでいいのか確認しに行ったり、測量して位置を出しにいかなければならなかったり、今の作業の指示をしてあげなければいけなかったり、これが現場監督が忙しいと言われる所以です。

結構しんどいところだと思います。

これは現場の作業に関するプレッシャーですが、立場が上になるともっと大きな裁量と責任を負うことになります。

このプレッシャーがあるからこそ、作業がうまく行った時には達成感と疲労感を感じることができるでしょう。

そのプレッシャーがしんどいようであれば、他の職に就くのもありです。

では

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