現場転職・就職

職人や作業員と現場監督の関係。技能を集めた集団。そこに利害関係があります。

現場

ゼネコンに入って現場に配属された時に現場監督と作業員の関係性がよく分からず混乱する人も多いと思います。

よくあるパターンがこれですね。

  • 現場監督って金の流れ的には「お客さん」なのに
  • 作業員には怒られたり
  • 不満があると帰る作業員もいたり
  • 雑用させられたり
  • なんだこれ

誰しもが一回はここにぶつかるのではないでしょうか。

ゼネコンはサブコンや専門業者からしたら「お客さん」ですが、現場監督は「お客さん」ではありません。

ここを勘違いしたまま作業員と接してしまうと

建設業特有のギャップに悩んでしまいますし、作業員との見えない壁を取り払うことができなくなって仕事自体が面白くなくなってしまいます。

では分かりやすく説明していきます。

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作業所は「ひとつの会社」

ゼネコンは工事を請け負うと作業所や工事事務所を立ち上げます。

工事を把握してどんな技能が必要かをピックアップして、その技能をもつ技能集団、いわゆるサブコンや専門業者を集めます。この

工事に必要な異なる能力・技能を持った人を集めた一集団

これが作業所や工事事務所と呼ばれるものになります。

ある意味でその工事を遂行するためだけの「ひとつの会社」と考えることができます。

会社には「部署」があるように「ひとつの会社」にも「部署」があります。

その「部署」とは、

  • 型枠工を専門にする「部署」
  • 鉄筋を専門に扱う「部署」
  • 土工作業を専門にやる「部署」
  • 現場監督は管理を専門にする「部署」

その「部署」こそがサブコン・専門業者、そして現場監督です。

会社での「部署」ということは、

対等な関係

になります。

会社の「管理部」が他部署に対して、我々はお客さんだぞ。なんでも言うこと聞け。なんてマウント取ってくること無いですよね。

それと同じです。

ここを勘違いして現場監督は「お客さま」だぞ。のような態度をとると作業員に猛反発をくらいます。誰もそんな人の言うことを聞いてはくれません。

いわゆる管理部である現場監督と型枠部と土工部などにいる作業員や職人は平等な関係です。

その「部署」は利害関係にある

普通の会社であれば「会社の利益」という同じ目標を持って互いに協力し合いながら日々の業務をこなしますが

この「ひとつの会社」には脆さがあります。

専門「部署」それぞれが社内で利益を求める

というところです。

普通の会社は社外から利益を取ってくるのに対し、この「ひとつの会社」は社内で利益を奪い合います。ここに利害関係が出てきます。

お金でくっついている烏合の衆

先ほど利害関係があると述べましたが、その「ひとつの会社」の「部署」どうしをくっつけているのは

お金

お金でつながっている「烏合の衆」です。

コンクリートは骨材どうしをセメントでくっつけていますよね。そのセメントのような役割をするのが「お金」です。

その工事その工事で「部署」を寄せ集めて「ひとつの会社」を作るので、お金でくっつけるしか無いんですね。

このお金だけで成り立つ関係は非常に脆いんです。「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉もありますよね。

いやいや。昔からの馴染みだから多少利益少なくても元請さんが困っているなら駆けつけますよ!

という心意気の良い会社もありますが、それも長い目で見れば「お金」です。

ここで恩を売っておくと、今後仕事がまた来るからです。

「同じ会社」では無い

「同じ会社」であれば「会社の利益」を求めるので、他部署をサポートする部署があったり、会社の利益になるならある程度のことは他部署に頼み込めばやってもらえます。

しかしこの「ひとつの会社」は「同じ会社」ではありませんし、先ほど述べたように「お金」で成り立つ関係ですから余計に難しいです。

職人や作業員にお願いしてもなかなか言う事を聞いてもらえない。と言うのは「お金」を理解していないと言うのがひとつ理由として挙げられます。

現場監督が職人や作業員に仕事を頼むときに必ず発生するのが

労力とお金

です。

人に何かをやってもらうという労力については、上手にお願いしたり、職人や作業員とある程度の信頼関係が構築できていれば、なんとかやってもらえます。

しかし、「お金」についてはお願いしてもそうはいきません。「お金」は払うしかないんですね。

お金だけで成り立つ関係なので、お金が大事なのです。

そして、若手の現場監督は現場の「お金」について全く知りません。おそらく上の立場の人がやりくりしているでしょう。

その「お金」がどうなっているかを知らないので、職人や作業員に反発されがちになります。

この「部署」はどこの範囲までお金をもらっているかを知っておく必要があります。自分のお願いしたことがお金をもらっている範囲から超えてしまうと、お願いを聞き入れてもらえません

仕事に不満があると帰ってしまう作業員

ここからは私の考察です。

不満があると帰る作業員がいます。その理由は人件費が安かった昔の名残だと思います。

昔は材料の値段より「作業員」の値段の方が安いことがありました。

なので人を投入することによって、工期を短くしたりしていました。

安全が疎かだったことからも「その点」は窺い知れます。

その名残で未だに生産性が向上しないのもそのためです。早く終わらせるために労働力を注ぎ込むことでなんとかこなしていたからです。

労働力が安いので人件費はそれほどかからず、工期が短くなるので経費が浮く。という構図でした。

昔は労働者もたくさんいました。仕事もたくさんありました。

なので、作業員が仕事に不満があって勝手に帰っても別の労働者はいますし

作業員も他の仕事をすぐ見つけられました。

そのため、「仕事をしないぞ」が成り立っていたのです。

個人の「腕」で食っていけるので、皆それぞれの独立性が強いことも要因です。

まとめ

少し例え話が長くなってしまったので難しかったかもしれませんが、まとめると以下のようになります。

まとめ
  • 現場は工事を遂行するための技能集団「ひとつの会社」
  • 現場監督と職人・作業員は「部署」どうしの対等な関係にある
  • それぞれの関係は「お金」で成り立っている

ということになります。

現場監督は自分はお金を払っているから「お客さん」だというのは勘違いになります。

お客さんなのは間違いではありませんが、現場では「部署」どうしの対等な関係というのが優先されます。

この業界に入るにはまずこの考えを持って入らないと、後々あなたが苦労すると思いましたので記事にしました。

では

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