実際に私が使っていて便利だなと感じたものを紹介します。それが平タガネです。
それほど大きいものではないので、常に腰道具に入れて持ち歩いていました。
現場監督としての主な用途はこちらです。
- マーカー等で印をしたい鋼材表面を「ケレン」できる
- 鋼材の角に印を打てる(傷を付けられる)
- 番線を切断できる
- 測量釘の微調整に使える
- 「はつり」に使える(本来の用途)
本来の使い方である「はつり」にはあまり使いません。
では説明していきます。
表面をケレンできる
鋼材のサビ・汚れ
鋼材に印や文字を書きたいけど
- 鋼材表面がサビていたり
- サビて濡れていたり(←これが最悪)
- 泥・砂が付着していたり
というような場合、赤鉛筆もクレヨンもマーカーも何も使えないじゃん。という場合ありますよね。特にマーカーはペン先に汚れがついてしまうと全く使えません。
そういう場合に活躍するのが「平タガネ」です。
名前の通り「平ら」なのでケレンして表面を綺麗にしてあげれば良いのです。
そうすれば、なんとか赤鉛筆で印は付けられるようになります。表面が乾いている場合ならマーカーでも書けるようになります。
今まで手袋とかで表面をぬぐっていたと思いますが、
- 汚れを伸ばしてしまうだけだったり
- そもそもサビまで落とせなかったり
- 手袋自体が濡れたり汚れてしまったり
あまりメリットがなかったですが、「ケレン」をすることで表面が綺麗になり印や文字を書くことができます。手も汚れません。
コンクリートの汚れ
コンクリートを打設したときに「ノロ」というモルタルのようなものが垂れて、コンクリート表面が汚れてしまっている時があります。
そういうものは後ほど表面仕上げの時に綺麗に掃除しますが、その作業より前に
- コンクリート面に墨を打ちたい
- 印をしたい
という場合に、表面を綺麗にしてあげることができます。
垂れてくる「ノロ」もセメントが入っているので時間が経ってしまうと固くなってしまい、素手ではどうしようもなくなります。
そういった場合に「平タガネ」が活躍します。
コンクリートって打設などの時に結構跳ねたりするんで、意外なところに付着しています。予想外のところが汚れていても「平タガネ」を腰道具に入れておけばすぐ掃除できますね。
鋼材の角に印を打てる
立坑工事などやっていると測量などで山留材に墨を付けたりすることがあります。
そのような場合、フランジの角に印をすると思います。
印をしたい場所に「平タガネ」の先端を当てて、ハンマーでガツンと殴ってやれば鋼材にヘコミができ印になります。いわゆるポンチのようなイメージです。
ポンチは鉄板の平面に印をする道具ですが、「平タガネ」は鋼材の角に印ができます。
赤鉛筆やマーカーでは印が消えてしまったり、濡れていてマーカーのインクが乗らない場合でも、物理的に印が残るので消えることはありません。
雨や湧水などで鋼材が濡れている場合も、「平タガネ」なら問題ありません。
その他にもけがき針を使う方法もあります。
番線を切断できる
番線を切りたいのに番線カッターを持ってないという場面ってよくあります。
番線カッターって用途が限られている割にそこそこ大きいので、普段持ち歩かないんですよね。
現場で番線で固定されている単管が邪魔。足場板を少しずらしたいなど。思いもよらない時に番線カッターが欲しくなります。
そういう時に「平タガネ」があると番線を切断できます。
「平タガネ」を番線に当てて、ガツンをハンマーでシバいてやれば切れてしまうわけです。
ハンマーでガンガン叩いても番線は切れますが、狭いところはそうはいきません。
ハンマーを振り下ろすスペースが無いような狭いところでも、「平タガネ」なら届きますね。そこの位置で「平タガネ」をハンマーで叩くことができれば番線は切れます。
コンクリート釘の微調整に使える
測量でコンクリートやアスファルトに釘を打つことがあると思います。釘を少しずつ打ってはプリズムで計測し、また打ち込んでと繰り返しますが
あらかじめ開けておく下穴のズレのせいだったり、最後に振り下ろすハンマーの力加減によって微妙にずれてしまって狙った位置に釘が打てていないことがあり
ほとんど釘を打ってしまってから1mm,2mm右とかバックって言われることがあります。
そういった時にハンマーで無理やり横方向に叩いても、釘の頭がほとんど出ていないため釘は動かず、打ち込んでいるコンクリートやアスファルトを傷つけるだけだったりします。
そこで便利なのが「平タガネ」です。
釘の頭側面に当てて、ハンマーでガツガツ叩いてやれば1mm,2mm程度ならなんとか動きます。アスファルトなら柔らかいので4mmくらい動くでしょう。
「平タガネ」なら釘の頭を叩いて少し横に無理やり曲げることができるので微調整ができます。
コンクリートやアスファルトは釘を抜いて打ち直そうとしても、一旦釘を打った時の穴が残っているので、釘がどうしてもまた同じ場所に戻ってしまいます。打ち直せないんです。
打ち直す時は失敗した穴の影響がないように数センチずらすとかしないといけません。その場合
再度座標を計算しなおす必要がある
ので、手間と時間がかかってしまいます。「平タガネ」があればその手間が省けますね。
はつりに使える(本来の用途)
もちろん「平タガネ」は本来の用途でも使用できます。
でもあまり現場監督は「はつり」の用途で使用することは少ないでしょう。
非常にコンパクト

これは寸法は実寸で幅が10mmで長さが150mmです。
ボールペンとほぼ同じ太さです。
現場監督が上記の用途で持ち歩く場合、なるべく小さいものが良いと思います。大きくなると重くなるので。
自分も一番小さいやつを買いました。それで充分でした。
まとめ
「平タガネ」の便利さをわかっていただけたでしょうか。
先端が平たくて鋭利で細長いということで、1本あると様々な用途に使えます。何かの代用になるユーティリティープレイヤーです。あれこれ持たなくても「平タガネ」でできるので、道具を節約できるので荷物が減ります。
皆さんも1本は腰道具に入れておいてはどうでしょうか。一番小さいもので充分です。300円程度です。
では。
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