こんにちは。ごじょーろうです。大学や専門学校で建設系の分野を学んだ人は、就職先としてゼネコンを選択肢に入れる人も多いと思います。
でも、「ゼネコンってよく聞くけど何してるかよくわからない」「各社の実績をみると建物や構造物を造ってるんでしょ?たぶん」
と考えている人が多いと思います。
自分が従事していた土木の分野に関して、ゼネコンがどんな役割を担っているかを解説します。
ゼネコンがどんなことをしているかが分かれば、自分の就職先・転職先の選択肢に入れるかどうかの判断基準にもなると思います。
ものづくり全体としてのゼネコンのポジション

簡単に書くと上のようになります。
物事の始まりはすべて発注者です。仕事を受けたゼネコンはまずは図面を見て、現地との相違が無いか。図面そのものに間違いがないかなどを照査します。必要に応じて、測量会社に依頼して測量も行います。大掛かりな解析が必要なのであれば自身の設計部に依頼します。
大規模な建設物がゼネコン1社で完結するはずありません。
コンクリートを構造物を作るにしても、まずは測量屋さんで測量します。大体の場所は荒れていて不均等でしょうから、土工屋さんで平に整地して砕石を敷き均し、その上に基礎コンクリートを打設します。ここまでは仮設です。
ほんちゃんのコンクリートを打つには、鉄筋屋さんに鉄筋を組んでもらって、型枠屋さんに型枠を組んでもらって、場所が高いなら足場屋さんに足場を組んでもらって、、、
と、いろいろな○○屋さんが登場してきます。
あなたはここを請け負ってください、あなたはここを請け負ってねと「施工業者(専門業者)」にお願いします。お願いされた方が下請け・協力業者ですね。
規模が大きくなればなるほどいろいろな〇〇屋さんが出てきます。これをトータルで管理するのがゼネコンの仕事・ポジション・立ち位置です。
なので自分たちで「ものづくり」をするのかと言われると、「もの」はつくりませんね。「ものづくり」に携わるという方が正しい言い方かもしれません。
ゼネコンの役割
上で書いた通り、工事全体のプロジェクトを分割して、各施工会社に一部分を請け負ってもらいます。
工事の実務を請け負ってもらえるので、自分たちは楽になりそうですがそうではありません。
施工業者が作ったものが発注者の仕様書に適合しているか、チェックしなければなりません。ものができる頃に現場に見にいって間違いを見つけて、ここ直してと言っても手遅れなことが多いです。工事の最初に指示をして、途中経過を確認してあげなければいけません。
これが品質管理、出来形管理ですね。
施工業者毎の作業の切れ目部分はゼネコンが調整しなければなりません。施工業者Aが何日に終わるから施工業者Bは何日から来てね。AとBに割り当てる工期も全体工期の中から逆算しないといけません。
これが工程管理ですね。
施工業者Cが高いところで安全に作業するには足場屋さんDに足場を組んでもらわないといけません。でも足場屋さんDは足場を組むことしか請け負わないので、足場を組んだら現場から退場してしまします。Cが安全に足場を使えるように維持管理しなくてはいけません。Dが足場組んでる最中に下でEが作業してたら危ないですよね。Eの作業日も調整しないといけません。
これが安全管理ですね。
現場のお金の管理もしつつ、施工業者の利益も確保させてあげなければいけません。利益が上がらない仕事では施工業者は離れていってしまいます。現場で作業員とか重機が余っているようなら施工業者にもう少し減らさせるなど指摘したり、材料もより安い材料を手配するなどの工夫が必要です。どうしても当初と現場条件が違いすぎるなら、発注者と増額分を面倒見てもらう折衝が必要です。
これが原価管理ですね。
重機作業ではどうしても振動騒音がつきものです。なるべく振動騒音が出ないものを使うべきなのですが、どうしてもパワー不足だったり、作業が進まなくなったりします。その時は周辺の住民などに発注者と協力して説明に行くなど配慮が必要です。現場からは大量に廃棄物が出てきます。適切に責任を持って処理しなければなりません。
環境にも気を配らないといけません。
まとめ
ゼネコンのポジションから、実務においての役割を説明してきました。ここでは施工部門に重点を置いて説明しました。
若手の方は必ず施工を経験させられるからです。
上の書き方だと、全然土木の知識が必要なさそうですが、ポイントポイントで土木の知識を使って決断を迫られる場面は出てきます。今学んでいる知識が無駄になることはありません。
ただ最初は、作業員さんとどのようにコミュニケーションを取ろうか。どうやって仕事をお願いしようかなど、人間力やコミュニケーション力が試される場面が多いのは事実です。体育会系が多いのも納得ですね。
参考になれば嬉しいです。では
Comment