若手の現場監督が、現場での職人や作業員へ注意するのは非常に難しいと思います。
職人や作業員は自分より年上の人たち、経験のある人たちですから、若い自分が注意するのは気がひけてしまうという人は多いのではないでしょうか。
ひとつ間違えると、反発されて喧嘩になったり、揉めるタネになったりします。
安全に関する法令は先輩などから教えてもらえますが、注意の方法って教えてもらわないですよね。
基本的には現場で「それはダメ」と。いうだけですから、注意の仕方を教えるという発想にはならないのです。
しかし、上司も先輩も若手のうちは、職人への注意で苦労しているはずですから、コツだけでも知りたいですよね。
それでは、自分がやっていた方法をお教えします。
「見てて怖い」と、ちょっとした気持ちを一言添えることですね。それと大事なのが空気を読んだタイミングです。
そもそも先輩や上司が注意しているのを見たことがない
皆さんの現場はどうでしょう。現場での注意はなされているでしょうか。
先輩や上司が実際に注意しているのを見たら、
- こういう場合に注意するんだな
- こういうふうに注意すればいいんだ
など、分かりますよね。百聞は一見に如かず。とはこのことです。
僕は上司や先輩が現場で注意したのを見たことがなかったのです。
私自身、研修などで基本的な安全に関する知識は習得していました。それでちょっと危ないなと思うこともありましたが、
一緒に現場を見ていた先輩や上司は、何も言わなかったので
この程度は見逃すのかな、なんて思ったりもしました。
それでいて、私だけが現場を見ている時に「なんで注意しないんだ。」と怒られます。
「そんなら手本見せてくれや。」って思っていました。
相手も人間で感情がある
職人や作業員も感情があります。
どちらかというと感情に従って動くことの方が多い人たちです。
職人や作業員からすると若手の現場監督の人は、年下で経験もない若造です。
若手に注意されるというのは、正直あまり良い気持ちはしないです。
そもそも若手は立場的に不利な状況なんです。
こっちも申し訳ない気持ちになる
職人や作業員に指示をして、作業をしてもらっています。
その上で、安全帯しろ。立ち馬持ってきてやれ、ルールを守れ。なんていうのはなんか言いにくいですよね。
基本的には我々も言いたくないんです。
正論を言っても無意味
そうはいっても、言いたくなくても言わなきゃいけない時があります。
先ほど述べた通り、そういう立場の違いから正論を言っても無意味です。
正しいことを言っても、向こうにも感情があり、感情が正論を上回る場合もあります。
子供みたいですが、現場とはそういう場所であり、そういう人たちが圧倒的に多いです。
「安全帯使ってください」なんて言っても
聞き入れてもらえない上に、逆に相手を逆撫でするだけで、いらぬ揉め事を引き起こします。
職人や作業員もわかっている
職人や作業員も、ここでは安全帯を使わなきゃいけない。というルールや法令はわかっています。
安全帯をしないと危ない。という危険もわかっています。
分かっていて、手間がかかるだとか面倒だからという理由でやっていないのです。
ユニックで「オーバーロードです」と警告が鳴りながら作業していて、
ユニックを移動させるのが面倒だから、このままブームを延ばしてしまえ。という感じでやっています。
職人、作業員は自分達でも大丈夫かな危ないなと思いながらやっていることもあります。
自分の気持ちを一言添えてみる。
作業員や職人はこんなことやっていて危ないな。と思いながらもやっているので
正論で注意・指摘するのではなく、
「見ていて怖いんで、安全帯そこに掛けてもらえます?」と気持ちも添えてお願いしてみましょう。
「ユニック動かしません?見ていて怖いです」と気持ちも添えて提案してみましょう。
正論で指摘するよりは、柔らかくなっていますよね。
「見ていて怖いです」「それちょっと怖いです」と、見ている方の現場監督の「怖い」気持ちを素直に伝えると、職人、作業員の危ないかもな。という気持ちに刺さってくれます。
諦めることも大事
現場自体が忙しくて、みんなピリピリしている時、
うまく進まなくてイライラしている時、
そんな時は、何言っても反発されるだけだな、というのは肌で感じてください。
そういう時は、諦めてください。
先輩や上司に相談しましょう。
こっちのいうこと聞かない場合は、相手も大人ですから、自分の身は自分で守るべきだ。と割り切りましょう。
まとめ
注意の仕方は、周りの人がどんなふうにやっているかを観察するのが良いですね。
若手のうちは聞く耳を持ってもらえなくても、何年か経てば聞いてもらえるようになっていきますので心配しないでください。
ちょっとした自分流の注意の仕方のコツでした。
では。
Comment