現場に持っていく必須道具の一つに「ボールペン」があります。
現在さまざまなメーカーからボールペンがラインナップされていますが、油性、水性、濡れても書けるもの、機能、デザインさまざまな種類があります。
その中で、現場で愛用していたアイテムの一つである、ボールペンを紹介しようと思います。
現場で使用するという観点からボールペンを8つの条件で分析したときに、総合評価でこのボールペンしか選択肢に残りませんでした。
それがこちらです。

「三菱ニューライナー」です。

めちゃくちゃ普通のボールペンじゃん
と、思う方もいるかもしれません。確かにそうです普通のボールペンです。
でも本当にこれが使えるのです。7年間これしか使わなかったです。現場で必要な条件で絞り込んだ結果、これしかないんです。
では条件を一つ一つ理由を説明していきます。
ノック式かキャップ式か
ボールペンには大きく分けて二つのタイプがありますよね。
「キャップ式」か「ノック式」
CROSSのようなクルッと回して出す回転式は例外とします。。
現場で使うには「ノック式」一択なのはみなさん分かりますよね。
現場ではメモのスピード、取り出してから書き始めの速さが大事です。
ノック式の便利なところは、親指でノックしなくても、自分の胸なり太ももなりに押し付ければ両手がふさがっていても、芯が出てきます。
キャップなんてすぐ落としてなくします。
なので、条件として「ノック式」で絞り込みます。
インクの種類
「油性」か「水性」か「ゲルインク」か。何種類かありますよね。
ここで自分の持っている「野帳」を確認してみてください。
私は防水タイプの野帳を使用しています。
これは紙が特殊加工されていて、水に濡れてもふやけない、破れない紙です。
つまり、水は染み込まないんですね。
すると、防水タイプの野帳を持っている人が使用できるボールペンは「油性」しかありません。
普通の野帳を使用している方でも、水性インクで書いた部分が雨などで濡れてしまうと滲んでしまうので、「油性」をおすすめします。
なので、「油性」インクで絞り込みます。
グリップの形状
ペンの持ち手部分にラバーがあるかないかに関してです。
使う人の持ちやすさや、長時間筆記でも疲れないように、持ち手の部分がゴム製でできているものがありますよね。
ここを独自目線で解説します。
現場にボールペンを持っていく際に、どうやって持っていきますか?
袖のペン差しに差す、胸ポケットに差す、はたまたバインダーに挟むなど色々あると思います。
自分の場合、ボールペンは野帳に挟んで、胸ポケットに入れます。

こうすると、すぐ新しいページが開ける利点があります。やっている人も多いと思います。

先ほど、ペンを野帳に挟んで胸ポケットに入れると述べました。
写真のように右側がまっさらなページの場合、ボールペンを挟んで持ち歩くと
すでに書いた左のページとボールペンが擦れることになります。
これがもし、グリップがラバー製だとせっかく書いた文字が摩擦でべニャーって伸びてしまいます。嫌な気持ちになります。
こんな感じです。

これがとても大嫌いです。
なので、「グリップにラバー製のものが使われていないこと」も条件の一つになります。
ボールペン本体の太さ
字の太さではありません。ボールペン本体の太さです。
今度は持ち歩きやすさに関してです。
上で「ボールペンは野帳に挟んで胸ポケットに」と述べました。
通常胸ポケットには、
・野帳(自分は2冊入れてました。1冊前のメモも確認できるようにするため)
・関数電卓
・携帯電話
・安全に関する法令を書いた本
など入れますよね。
胸ポケットのキャパは限られています。
太いペンは胸ポケットの容量を圧迫してしまいます。
なのでボールペンは細い方が良いのです。
三菱ニューライナーの軸の太さは9mmです。鉛筆の太さは規格で8mm以下となっているので、鉛筆と太さはほとんど変わりません。


軸も六角形で、鉛筆のような握り心地です。
なので、条件に「細い」を追加します。
多機能ペンか単色ペンか
便利な多機能ペン・複合ペンがありますよね。
赤青黒+シャープペンシルのようなもの。1本で何色も使えるというのは確かに便利なのですが、
私は現場では圧倒的に不利と考えます。
現場では落とす・失くす・壊れるというリスクが考えられます。
高所から落として壊れる。泥水の中・ぬかるんだ泥の中に落として見つけられない。見つけられても書けなくなっている。などなど
多機能ペン・複合ペンは1本落としてしまうと全色全滅します。もう何も書けません。寸法や測定結果のメモも残せなくなります。
多機能ペンを普段持ち歩いている人は、2本目(予備)を持っていない人も多いと思います。
そもそも何本も持ち歩きたくないから、多機能ペンを選択しているんですよね。
では、三菱ニューライナーのような単色ボールペンならどうでしょう。
自分は赤と青の2本を持ち歩くようにしています。
たとえ青を落として壊してしまっても、まだ赤があるのでなんとかメモはできますね。
どちらかが予備として機能してくれます。これが現場で単色ボールペンをおすすめする理由です。
さらに、多機能ペンのほとんどが「太い」「グリップがラバー製」です。
先ほどの条件を満たしていません。
なので、「単色ボールペン」であることも必須です。
落としても大丈夫か
ここで議論するのは落としても壊れることはないか。頑丈か。ではありません。
あくまでも「落として(壊れても)大丈夫か」です。
結論から言います。
三菱ニューライナーは「落としても大丈夫」です。
なぜなら、安いから。

そういうことじゃない
いえいえ、現場ではそういうことです。
三菱ニューライナーは1本80円程度で売られています。これは圧倒的に安いです。
屋外作業をしている人向けに、「頑丈さ」・「壊れない」を売りにしているボールペンが発売されていますが、
おおよそ1本400円高いものでは1000円くらいします。三菱ニューライナー5〜12本分に相当します。
確かに頑丈で壊れないかもしれませんが失くすかもしれません。
現場でコンベックスや野帳、図面、テープなど色々あれこれ持ち替えているうちに、あれペンどこ行った?というのはあるあるです。
高価なペンを1本使う間に、ニューライナーなら4本落としても金額的にはトントンです。
なので、「落としても(壊れても)大丈夫なもの」もボールペン選びの条件にします。
失くしても大丈夫か
これは言葉通りです。
これも結論から言います。
三菱ニューライナーは「失くしても(気持ち的に)大丈夫」です。
なぜなら、安いから。
高いものは現場で使う気はしないですよね。事務所で大事に使うのをおすすめします。
なので、「失くしても(気持ち的に)大丈夫なもの」も条件に加えます。
濡れても書けるか
最近は便利なものも出ていて、濡れている場所にも書けるハードな使い方に対応した加圧式のボールペンが売られています。
現場作業では、雨や雪、地下構造物では上から漏水があったりして、書き込みたいものが濡れているという場面が多々あります。
防水タイプの野帳は紙が濡れても破けないふやけないのですが、ボールペンのペン先がうまく回らず、普通のボールペンでは書けなくなることがあります。
なので、濡れていても書けるポールペンが欲しくなります。
でも、欲しくなるだけです。
こういうものは多機能ペンと同じように、グリップがラバーだったり、太かったり、高価だったりします。
私の求める条件に合致しません。
ではどうするか。
現場監督なら必ず持っているであろう、マーキング・位置出しに使う「赤鉛筆」が活躍します。
野帳が濡れたら赤鉛筆を使います。自分は腰袋に入れてましたので、濡れてダメだと思ったらサッと赤鉛筆に持ち替えます。

なので「濡れても書ける」は必須条件ではありません。濡れたら赤鉛筆で代用です。
まとめ
これらの条件をまとめると
となります。
これを全てクリアするのが、三菱ニューライナーです。
文房具屋さんで実際に条件に当てはめて絞っていくと、条件の上から3つくらいでもうほぼ三菱ニューライナーしか残らないと思います。
ノック式で油性で、軸がラバーで無いものって限られるんですよね。
100均でまとめ売りされているようなものもありますが、あまりにも安すぎてインクの出が悪かったり、滑りが悪かったりするので
三菱鉛筆株式会社のしっかりとしたものを使うことをおすすめします。
では。
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